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技術が分からん人は、しばらく黙っておけ

「技術が分からん人は、しばらく黙っておけ」と、コインチェック事件について、世の中に言いたい。

この事件の肝は、人・組織の問題ではなく、多くの企業において、オンライン上のデータがいつでも盗み出される技術的課題があるということ。その対策を、人・組織ではなく、技術として課題抽出するためには、コインチェック側の施策を具体的に開示してもらう必要があるが、人・組織の話に関心がある人たちが世の中に多いから、メディアはこぞってそれを大々的に人・組織の問題に誘導するように取り上げてしまう。さらに技術では理解できない人たちは、人・組織の行動として厳しい規制やルールで縛り付けようとする。これでは貴重な記録を開示したいと思わないだろう。

なぜこの事件に食いつくのかというと、2000年ごろのITブームの中で、今と同じような状況を見て来たからだ。その頃、私が勤めていた企業は、独自開発をした暗号アルゴリズムを強みに上場した。当時、ITブームが進むにつれ、個人情報流出などコンプライアンスの問題が噴出した。そして、メディアは個人情報流出の事件をこぞって流し、企業は技術的な課題抽出ではなく、人・組織としての課題抽出ばかり行った。せっかく芽を出し始めていた若いテクノロジー企業は、コンプライアンスの縛りに苦しみ、叩かれ、その後、長い不景気に再び突入した。

今、IoT、ビックデータ、AI、など様々なバズワードが飛び交い、投資家からテクノロジーベンチャーに資金が回るようになってきている。勢いで前に進むベンチャーは、コンプライアンス的な課題を露呈させる。でも、それは進化するための、想定範囲内の出来事である。どうか、学習して欲しい。

日本国民は、日本企業に対し、過剰品質であり、コンプライアンスにうるさい。そして合理的な海外企業に、その隙を奪われてしまっている。例えば、ヤマト運輸が運んだ箱に少し傷があると、問題として大きく取り上げるが、Amazonが運んだ箱であれば合理的だと騒がない。

そういう無駄な体力消費の構造を日本は作ってしまった。もし、ベンチャーがコンプライアンス的な課題に直面したならば、速やかに技術的な解決が取り組まれるよう、技術が分からないならメディアの餌にされないよう、どうか騒ぐことだけはやめてほしい。